2015/5/29 第18回 「レインズ②」

皆様こんにちわ。
神戸不動産リアルティの白石です。

5月なのにすっかり夏日ですね。
急激な気温上昇に体がついていかない今日この頃です。

さて今日はレインズのお話です。

前回レインズの仕組みについてお話させて頂きましたが、
実は今、このレインズが大きく変わろうとしています。

レインズとは、不動産業者同士で共有している不動産情報のデータベースのようなもので、
レインズへ登録することにより、どの不動産会社でも登録された物件の取扱いができ、
数多くの購入希望者に紹介ができるというシステムです。

これにより、自社で購入希望客がいなくても、他社から購入希望客を紹介して頂き、
間接的に買い手を探せるという訳です。

売主が売却を依頼したにもかかわらず、両手取引を狙うがために、
いつまでもレインズに登録しない(市場に出さない)ことや、
レインズに登録はするものの、商談がないにも関わらず「商談中」と対応し、
他業者を介在させない「囲い込み」行為が問題となっております。

なにも最近の話ではなく、以前からあったことではありますが、
ここ最近になって、この「囲い込み」が大きく取り上げられるようになってきました。

数か月前に「週刊ダイヤモンド」でこの「囲い込み」行為について、
大手不動産流通会社名指しで大々的に掲載されることがありました。

さらにはヤフー等のインターネットのトップニュースでも報道されたり、
一般の方も多く目にされる機会となりました。

この「囲い込み」行為に対し、国土交通省や業界団体も重く受けとめ、
喫緊の課題とし、早急に改善しようとする動きとなり、
早ければ来年明けにも、レインズが改革される見込みです。

何がどう変わるかと言うと、この「囲い込み」行為を防ぐ為、売却を依頼した売主に、
レインズへアクセスできる権限を持たせ、営業動向をチェックできるようにするというものです。

今までは、売主は売却を依頼した後、販売状況については不動産業者から報告を受けるのみでしたが、
今後はレインズへのアクセスが可能になることで、レインズに登録されているかどうか等、
売主自らがチェックができるということになります。

不動産業界はある意味情報産業ですから、その売却情報を得たのは営業努力の結果です。

そして情報入手にはネット掲載や広告、ダイレクトメール等の経費が掛かっているわけで、
時間と費用をかけて情報を入手した者が情報の開示についてイニシアチブを握ることは、
この業界ではある意味仕方がないという共通認識ではありました。

当然、適正な価格で早く売却できることは売主の利益となる訳ですから、
情報を入手し、自社の手持ち客で成約できれば一番良いことです。

しかし、手数料のために物件情報を独り占めし、故意に他業者に介在させず
時間をかけることは、売主の利益にはなりません。

手数料商売である以上、不動産会社、営業マンに自制を求めても効果がないので、
根本的な仕組み自体を変えていく必要があるということでしょう。

ただ、何でもかんでもレインズに登録すれば良いという訳でもありません。
情報の希少性を持たす意味でも、レインズ登録を避ける場合もあります。

営業マンの話を良く聞いて理解し、心配であればセカンドオピニオン的な意味で、
別の不動産会社に聞くことも、選択肢の一つかもしれません。

ちなみに囲い込み行為が改善しない場合の罰則規定も導入されるようですから、
今後、不動産業界が、不動産会社の対応がどう変わっていくか注視していきたいと思います。

以上、レインズについてのお話でした。